複利で1億円貯める利回り

一億円を貯めるための考え方としては、手元の元本を運用・投資などで増やしていく方法と、毎月・毎年コツコツと積み立てて増やしていく方法とが考えられます。実際にはこの二つを組み合わせるのでしょうけど、ここではまず、手持ち資金を一億円に増やすには年利回りがどれくらいあれば良いかを考えます。計算方法は複利です。利子課税などを支払った後の実質利回りと考えてください。

まず手元に100万円あると考えましょう。この場合なら、資金を100倍にすれば1億円になります。手元に10万円しかなければ、以下の表の数字を10分の1にして考えてください。1000万円あれば10倍です。例えば100万円を元本にして利回り7.5%なら33年目に1千万円を超えていますから、1千万円が元本で利回り7.5%なら、33年目に1億円を超えることになります。

利回り(%)33年目60年目
0.11,033,5331,061,805
0.51,178,9081,348,850
1.01,388,6901,816,697
1.51,634,4792,443,220
2.01,922,2313,281,031
2.52,258,8514,399,790
3.02,652,3355,891,603
3.53,111,9427,878,091
4.03,648,38110,519,627
5.05,003,18918,679,186
7.510,876,25376,649,240
10.023,225,154304,481,640
15.0100,699,8294,383,998,746
20.0410,186,27056,347,514,353
複利でいくらになる?

この記事を書いたのは2009年です。現在のような超低金利で利回りが仮に0.5%だとすると、複利計算しても100万円は、60年経っても1億円どころか、倍の200万円にも到底なりません。60年という期間は、今20歳の若者が80歳になる年齢ですから、0.5%での複利運用は1億円貯めるためにはとても現実的な数字ではありません。

では、60年以内に元本の100万円が1億円になるには何%の利回りか見ていくと、7.5%でもだめで、10%なら大丈夫、ということになります。つまり、8%とか9%の利回りが確保できないと、60年かかっても100万円は1億円にはなりません。1千万円あっても、60年間にわたり4%以上の利回りが必要です。

発展途上国ならいざ知らず、現代の日本で4%以上の金利がそれほど長く継続することは考えにくいですし、8%9%という金利が付く預金などは、ほぼ不可能です。(若干のリスクはありますが、ソーシャル・レンディングを使えば8%9%が得られる場合もあります)

と言うことは、元本だけに頼って1億円貯めることを目指すには、ハイリスク・ハイリターンの投資をして高利回りを狙うしかありません。

もちろん世の中には、百万円の元手でリスクを伴う投資をして、何億円にも増やした人もいますし、そのような人が書いた本も出ています。しかし、リスクのある投資をして元本を大きく減らしている人が大勢いることも、もう一方の事実です。あなたがどちらになるかは結果を見なければわかりませんが、そのような成功者なら本を書けるのですから、世の中にどちらに転ぶ人が多いかは、明らかでしょう。

結局、今ある元手をただ銀行預金などで寝かせる方法では、複利を考えても、ほとんどの人は生きている間に1億円貯めることは不可能だ、ということです。やはり、コツコツと積み立てることを基本に、少しずつ運用を考えるべきのようです。


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