貸し倒れと元本割れ
ソーシャルレンディングを検討する方が一番気になるのはソーシャルレンディングのリスク。つまりは貸し倒れや元本割れではないかと思います。
私はソーシャルレンディングを今まで4つのサービスを使って試してきました。その中にはもちろん貸し倒れになったケースや、元本割れになったケースも数多く存在します。
経験上元本割れのリスクが最も高いのが、地域おこしビジネスなどを支援するタイプでした。例えばミュージックセキュリティーズのようなタイプのもの。出資者への得点で商品が貰えるなど楽しみも多いですが、ファンドの3分の2くらいは元本割れ。そして、出資した企業が倒産してしまったケースすらいくつか存在します。
つまり、地域産品や新商品などを製造販売しようという、難しいビジネスに挑戦するようなケースでは、最悪出資先が倒産して、全額貸し倒れというリスクも伴うということになります。ですから、このタイプのソーシャルレンディングは「応援のつもりで」出資すると考えておいた方が良いでしょう。「応援したいから、リスクも共有しますよ」というスタンスですね。
一方で、企業の一時的なキャッシュ・ニーズに対応するためのソーシャル・レンディングだと、貸し倒れ・元本割れのリスクは相対的に低いようです。既に動いているビジネスで、一時的なキャッシュニーズが生じた時に利用していると考えられるからです。
それでも初期のソーシャル・レンディングでは、Maneoのように倒産した企業も存在します。現在の仕組みではかなりまともになってきたようではありますが、100%安全で、貸し倒れ・元本割れが生じることがないとはありえません。
ソーシャルレンディングのリスク対策は分散投資で
まず、「ソーシャルレンディングのリスクはできるだけ取りたくない」という人は、ミュージックセキュリティーズのような応援型ファンドは避けましょう。私個人はいろいろなビジネスの実例に触れられるのも楽しみで継続しています。それでも最近はリスクが高そうなものへの投資は避けています。元本がどんどん減るようでは継続ができませんから。
貸し倒れ・元本割れリスク対策は、既存のビジネスのキャッシュニーズに対応する形のソーシャル・レンディングを狙います。さらにポートフォリオを持つ、つまりは多くのファンドに分散して投資することが重要です。
この手のファンドでは、年換算の金利で5%から、高いものだと15%が付くこともあります。超低金利時代の現在、とてもありがたいことですが、当然金利が高いものほど、リスクも高いと認識すべきでしょう。ただし、リスクが高いとは言っても、担保が設定されていることも多いですから全額貸し倒れになることはほぼなく、投資先の半数が行き詰まる、というようなことは現在ではありません。
問題は金利などを見て、特定のファンドに資金を集中する場合です。その場合、そのファンドで出資する企業が「たまたま」行き詰ったら、すべてを失うことになりかねません。
年利が高いファンドだけでなく、比較的金利が低いものまで含めて分散投資することが、投資した金額全体の元本割れを防ぐ手段です。100万円をソーシャルレンディングで投資しようと思ったら、100万円を一つのファンドに投資するのではなく、10万円ずつ10個のファンドに投資する、ということです。
現在ソーシャルレンディングでは、相当の数のファンドが毎日のように出ていますから、リスク分散は比較的容易に可能です。
コメント
“ソーシャルレンディングのリスク” への2件のフィードバック
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[…] の企業がそもそも立ち行かなくなって倒産してしまったという例も多数。元本割れどころか、ケースによっては投資がほぼゼロになってしまっています。(こちらにも記事を書きました) […]