資産のリバランス

人はとかく感情や自分の思い込みに流されやすいもの。そこで感情を抜きに資産の配分を変える、資産のリバランスを考えましょう。

投資対象には大雑把に言えば、株式のようなハイリスク・ハイリターンのものと、貯蓄や格付けの高い債券のようなローリスク・ローリターンのものがあります。景気が良くなればハイリスク商品が利益を出し、景気が悪くなれば株式のようなハイリスク商品は損失を出しやすく、逆に債権のような安定したローリスク商品が相対的に利益が高くなります。

投資でまとまった利益を出そうと思ったら、ある程度ハイリスク・ハイリターンの商品を組み込んでいかない限りは、特に低金利時代には資産はほとんど増えていきません。

基本はハイリターンの金融商品を安く買い、高く売ることですが、安い時にはさらに下がるのではという恐怖感から買えず、高い時にはもっと上がるのではないかという期待から売れない、というのが人間の感情です。実際の投資の失敗は、特に素人の場合、こうした感情が左右した結果である場合がほとんどです。

そこでシステマティックに感情を排して売買を実行する必要がありますが、その手段の一つが資産のリバランスです。

資産のリバランスとは

資産のリバランスは基本的に、性質の違う金融商品を保有額ではなく、保有率で管理する考え方です。たとえば株式が50%、債権が50%というように。

しばらく運用していると、株価が上がれば株の保有率が上昇し、債権の保有率は相対的に下がります。株価が下がればこの逆が起き、株の保有率は下がり、債権の保有率は上がります。

これを定期的に、例えば50%ずつに戻してやるのがリバランスです。リバランスを行うと、自動的に価格が上昇した資産を売却し、価格が下がった資産を購入することになります。つまり、安い時に買い、高い時に売ることが自動的にできるわけです。

もちろん「株の最安値で買い、最高値で売る」ということは困難です。それでも、心理的なバリヤーを破るには、とても良いオプションだと思います。

投資信託の中には自動的にリバランスをしてくれるものもあるようですが、日本では一般的ではないようです。そのようなときにはスイッチ手数料が無料のファンドを利用し、株式ファンドと債権ファンドとの間で調整するのが一番簡単でしょう。

リバランスに利用するには、株式ファンドの中でも、安定度の高いインデックスファンドの利用がお勧めです。債権ファンドは為替リスクのない国内債券で運用するものを選んでおけばよいでしょう。


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